こんにちは!
今回はお絵かきについて紹介します。
図式前期(5~6 才)
子どもが知的な面でも情緒的な面でも成長してくると、自分を取り巻く周囲との関係や状況を知るようになっていきます。
そして、人とはこんなもの、家とはこんなもの、自動車とはこんなもの、というように一つ
一つの事物について確かな認識を持ち、それぞれの概念も形成されていきます。
特徴的なことは、例えば家、木、太陽、山、花、などに見られる記号的(図式的な)要素がどの子どもにも共通していることです。
画面には上下左右ができ、大小のバランスや物と物との関係づけができてきます。
色についても物の固有色を使う傾向が出てきます。
図式前期の子どもの絵の大きな特徴として「ベースライン」があります。
これは、地面との境界に一本の線が引かれ、その上に家、木、花、人物などがこのベースラインの上に並びます。
空は上にあり、空の境界にも線が引かれることもあります。
地面は常に下にありしたがってベースラインも画面の下方ギリギリに引かれることも多いです。
また、画用紙の下の縁をベースラインと考える子どもも多く見られます。
地面と空の間はよく何も描かれていない空間になりますが、ここは「空気」であってここには何も存在しないから描いていないのです。いわゆる写実画のように一視点から見えているものを描いているのではなく、「自分の下には地面がある」「自分の上には空がある」「自分のそばには木がある」「家、木、花も自分と同じように地面の上にある」というように、客観的な視点ではなく自分を中心に物との関係を理解し描いている時期です。
これがこの時期の子どもの空間認識なのです。
客観的な視点ではなくファラオを神とした世界観で描かれている古代エジプトの壁画が、この図式前期の子どもの世界観に似ていてとても興味深いです。ファラオを中心とした人々と物との関係が重要なのでしょう。人や物が重なることで隠れたものの形が不完全になるような描き方や客観的な視点で世界を捉える描き方は価値としないのでしょう。
<芸術による教育の会による 芸術による教育のための どこでもアートなブログより引用>
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